Maintenance
どんな仕事?【保守業務】
ネットワークを守る通信インフラ保守事業
基地局は、24時間・365日フル稼働である上に屋外で気候の変化に常にさらされています。加えて新たな技術の導入のためにハードウェアやソフトウェアをアップデートしていく必要もあります。これらのことをあらかじめ想定し、基地局の機能稼働をストップさせないように、定期的にメンテナンスを行っています。
また、災害やさまざまな障害が原因で、通信ネットワークの不通が発生した場合の緊急メンテナンスも、保守業務の重要な仕事です。基地局で起こったトラブルが人命にも関わることになりかねません。逆に言えば、ネットワークが「生きている」ことにより助かる命があるということです。「人のため、社会のためになる仕事」だと誇りを持って向き合っています。
保守業務は「計画対応」「緊急対応」「災害対応」があります
保守業務は大きく分けて「計画対応」「緊急対応」「災害対応」に分かれます。
どの対応も、社内スタッフや通信会社のスタッフとのチームワークで作業を進めていきます。
1 計画対応
機器や部品の劣化などによる通信トラブルを未然に防ぐためや、システムのバージョンアップに伴う設定変更など、あらかじめ計画されている保守業務が「計画対応」です。
2 緊急対応
基地局にトラブルが起こった際の復旧作業を行う保守業が「緊急対応」です。緊急対応は昼夜問わず24時間・365日対応できるように、「社員の当番制」で臨んでいます。
3 災害時対応
台風や地震などの災害時に基地局の安全確保と復旧作業を行う保守業務が「災害時対応」です。
保守業務の仕事をくわしく
保守業務の仕事を具体的にご紹介します。
基本的な仕事の流れを知っていただくために、「計画対応」を例に挙げて説明していきます。
携帯会社からの指示書を確認
担当の割り振り
携帯会社から、その日の計画対応の指示が朝一番に送られてきます。該当の基地局の位置や作業内容を確認し、誰がどの作業を行うかの割り振りを行います。
工具や機器を準備
担当する基地局の指示書を細かく確認し、必要な機器や部品、工具を準備します。
機器や部品は事務所倉庫にストックしています。特殊なものは事前に送付されます。
忘れ物がないようにしっかりチェックを行います。
安全運転で基地局に
向かいます
必要なものを積み込み、基地局に向かいます。複数個所をまわる場合は、機器や部品を間違えないように注意します。精密機器を載せている、1日の業務をしっかりとこなすためにも運転は安全第一です!
基地局に到着
基地局に到着します。基地局はマンションやビルなどの高い建物に設置されているもの(ビル局)、山の中や見晴らしが良く広いところに鉄塔を建ててアンテナを設置したもの(鉄塔局)などがあります。
ビル局はビルやマンションの管理者や利用者・住民の皆さまが出入りをしているところにあります。鉄塔局は基本的には人気のないところに建っているのですが、私有地を借り上げていることも多く、地主さんと話をする機会もあります。そのため「いつでも・どこでも」誰に見られても恥ずかしくない立ち居振る舞いを心がけます。
作業準備
ビル局は、管理人さんに挨拶をして立ち入りを許可してもらいます。鍵がかかっている場合は、鍵を預かるもしくは開錠していただきます。
鉄塔局は自分たちで開錠します。
そして工具や部品を準備し、作業前に携帯会社に連絡を行います。
作業前の状況をデジタルカメラで撮影します。
作業
作業スタートです。基地局はアンテナと送受信機、そして電源で構成されています。ビル局は高所にあるものがほとんどであり、鉄塔局のアンテナは10m~50m高さの鉄塔に設置されています。高所での作業は安全第一!鉄塔に上っての作業はフルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)を装備が義務付けられています。
屋外に設置されていますが、精密な機械で構成されていますので、作業は慎重に行います。
作業完了連絡 後片付け
作業が完了したら、作業箇所の写真を撮影し、携帯会社に完了の連絡を行います。
工具や、交換した古い部品や機器などを放置して戻らないよう、周囲をしっかりと確認します。
施錠など、到着時と同じ状態・状況に戻して、会社に戻る、もしくは次の基地局の保守に向かいます。
作業報告書の作成
会社に戻ったら、作業報告書を作成します。撮影した写真の添付、作業内容の詳細を記載、担当したスタッフの氏名など、決められたフォーマットに沿って作成していきます。
以上で計画対応の仕事が完了です。
24時間・365日体制での「緊急対応」
作業の進め方は「計画対応」と同様ですが、基地局での作業時に「他のトラブルが発生していないか?」「エラーコードが正しいのか」など、さまざまなケースを想定して慎重に作業を行います。判断を間違うとトラブルがトラブルを生みかねません。
当番時の夜、電話でたたき起こされる時もありますが、対応が完了した後、「無事大きなトラブルにならずに良かった」と、静かにぽつぽつと明かりが灯る住宅街などを眺めながら、人知れず帰路につく時に「なんとも言えない達成感」を味わうことができます。
自然との闘い「災害時対応」
東日本大震災では、約30,000局の基地局が長時間の停電による電力供給の遮断や物理的な破損で甚大な被害が及びました。
携帯会社各社とも、通信局舎や設備の耐災害性の強化や長時間の電力供給を可能とした蓄電池や自家発電機設置、車両やドローン、衛星を駆使した移動基地局など、「災害時でもつながる」を目指して、今も災害対策を進化させています。
その中で、私たちは最前線で基地局の復旧に務めます。「計画対応」や「緊急対応」のように作業フローが明確ではない場合もあります。災害の規模によっては携帯会社からの指示もままならない・曖昧になることも想定しなくてはなりません。
そのため、日々の業務である「計画対応」や「緊急対応」を行う中で、知識や技術の向上、社内はもとより携帯会社・提携会社との情報共有をしっかり行い、「緊急時対応」に備えています。
常に「安全第一」
その際は早めに判断を行い、作業自体を見送ります。「命あっての生活」です。身近な存在である社員の安全を確保できずに「多くの人のため」と言える資格はありません。また、基地局で事故が起きた場合、二次被害の恐れもありますので、危険な状況下での作業は絶対に行いません。
作業の安全面については、携帯電話各社でもしっかりと義務付けられています。