ライフラインの守り神
従来の電話、スマートフォンなどのモバイル機器、パーソナルコンピューターを使用してのインターネットは、「誰かと」「どこかと」常に繋がっていること。この「繋がり」は、今や私たちが生活する上で欠かせないものとなりました。
現代人の仕事、生活を豊かにすることはもちろん、生命に関わるものとなっているといっても過言ではありません。
その「繋がり」=「通信インフラ」を支えているのが私たち一の宮通信設備の仕事です。
今、この文章を読んでいる=通信インフラが快適な状態である、ということをほとんどの方が意識をされていないと思います。この状態がベストの状態です。私たちは常に「意識をされないベストの状態」を保つことを理想としています。
社名の由来は、創業時の所在地・高知市一宮(いっく)、そしてその地にある国の重要文化財である土佐神社(土佐一の宮)からきています。
代表である私の祖父は、畳屋を営みながら土佐神社の宮司をしておりました。
土佐神社は、古代日本で各令制国に祀られた最も社格の高い神社「一の宮」で、古くから土佐の地を見守ってきました。また、土佐神社の御神徳は大国主神の御子である味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)は国土の開拓、農工商あらゆる産業の繁栄の神様であることが伝えられています。そしてもう一柱の御神徳である一言主神(ひとことぬしのかみ)は、和合協調の神として一言で物事が解決されるという特殊な信仰のある神様です。
私が、この通信業界に身を置くことになったのは、些細なきっかけです。時代が「これからはコンピューターの時代だ」という流れになっていた頃、「コンピューターを使ってみたい」という興味を持ち、工業高校の情報技術科に進学したことが始まりでした。
そのまま身をまかせるように就職し、主に通信関連の業務にてさまざまな経験を経て独立し、起業するに至りました。
通信インフラが日を追うごとに社会にとって必要不可欠なものになっていく変遷とともに、この業界を歩んできた人間の中の一人です。
新たな技術が開発され、実装される度に、それらをいかにスタンダードにしていくのかが会社員である時に私の仕事でした。新しい機器の設置を一手に引き受け、その次には設置の方法を指導する立場になりました。常に「初めて」の状況に置かれている状態でした。
そのうち、経験を積み重ねていくと「初めて」の状況でも「予測」や「仮説」を立てられるようになり、「回避」や「先回り」をする知恵がついてきます。
故障で「不通」になる事態はゼロにはなりません。しかし、ゼロにするためにはどうするか?不通になる前に起きる現象を知っていたらその時点で対処すればいいわけです。また、故障が起きても不通になる事態を避けるためには、「予備」があればいいわけです。
そのようなことの繰り返しを経てわかってきたことは、「自分たちの仕事は、相手に意識をさせないこと」です。
「ありがたみ」というものは、事がうまく運んでいる時には意識しないしていないものです。
言い換えると、私たちの仕事に常に感謝される状況というのは事がうまく運んでいないからなのです。
故障や不通を意識させないのが、私たちの業界での真の安心の提供だと思っています。
年に数回、神社にお参りに行って「ああ、そういえば、神様が見守ってくださっているんだな」と気がつくくらいの気持ちで、思い出してくれる「ライフラインの守り神」でありたいと思っています。
有限会社 一の宮通信設備
代表取締役社長 野中敏晴